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EMI OIKAWA
及川 絵美
及川 絵美
03 March 2017
アパレル技術科を卒業され、現在はご自身のブランドであるTHRIUMを立ち上げ活躍されている及川絵美さんに、文化服装学院で学ぼうと思ったキッカケやブランド立ち上げから現在に至るまでの道のりを訊いた。
及川さんは、高専卒業後に文化服装学院に入学されていますよね?一般的に文化服装学院に入学される方とは、少し異なる経歴だと思いますが、どのようなキッカケがあったのでしょうか?
及川: 私は昔から、数学とデザインが好きだったこともあって、宮城高専という学校に通っていました。最初はプログラミングやグラフィックデザインなど基本的なことを勉強するのですが、4・5年生の時はデザインの授業も増えて、ファッションは昔から好きで、学校が私服通学ということもあって、ずっとファッションデザインをしたいと思っていました。
ファッションが好きで、ファッションブランドを立ち上げたいと思っていて、ファッションといえばショーだと思って、学園祭でファッションショーをしたんです。その時に作った作品を周りの友達などがとても良かったと言ってくれたことがキッカケで、それまでグラフィック関係の会社への就職も考えていたのですが、文化服装学院で勉強しようと思いました。
そうして入学された文化服装学院ですが、学生生活はいかがでしたか?
及川: 基礎科に入学したんですが、文化服装学院に入学してファッションやオシャレが好きっていうのは大前提でしたし、皆がそれぞれに感性が優れていて、ファッションデザインは学ぶものじゃないなと感じました。地方出身の私には、文化服装学院の環境はそれまでとは全く異なるものでしたし、ある意味挫折に近かったかもしれません。
ただ、ファッションが好きなことは変わりませんでしたし、洋服の構造的な部分に関心があったこともあって、アパレル技術科に進学しました。
在学中には、学校外の活動になりますが、ファッションブランドのデザインアシスタントをする機会があり、そこでファッションショーにスタッフとして携わることが出来ましたし、とても良い経験だった思います。
入学当時は、カルチャーショックにも近い経験があったということですが、その後アパレル技術科に進学して、学んだことで良かったと思うことはありますか?
及川: 先ほどもお話したとおり、在学中から外部のファッションブランドをお手伝いさせて頂いていて、学校で学んでいることがそのまま社会に出て役立つというわけではないことは、少し感じていました。ただ、ドレーピングのちょっとしたコツなどパターンの技術については、例を挙げればキリはありませんが、その他に人との繋がりというか、みんなで何かを作るということも文化で学んだ最も大切だと思えることの一つです。
というのも、私は先生から頼まれごとをされる事が多く、頼まれたら絶対に断らないようにしていました。その中で、お互いに助けたり、助けられたりという当たり前ですが大切なコトを身をもって経験できたと思います。今でも、仕事でお取り引き様、工場さんなどとやりとりをしている時にその時の経験が生かされているなと感じます。
様々な考え方の人がいる中で、積極的にまとめ役を引き受けた経験が今生かされているのですね。文化服装学院を卒業後は、アパレル企業に就職されて販売を経験されているそうですが、デザイナーやパタンナーではなくなぜ販売だったのでしょうか?
及川: 卒業後は、グレースコンチネンタルに総合職として入社したのですが、新入社員は最初、皆販売からスタートします。販売の仕事がしたいと思って入社したわけではありませんでしたが、いざ店頭に立って接客をしていると、思いがけず自分が接客を好きと感じました。お客様とのコミュニケーションの中で得た知識も沢山ありましたし、自分としては特別な事をしていたというわけではないのですが、結果が繋がったなと実感できた時が多かったです。ただ、ブランドを立ち上げたいという強い思いがあったので、退職してブランドを立ち上げました。
現在はご自身のブランド「THURIUM」を立ち上げられて、ご活躍されていますが、ブランドとしての今後の目標や夢やありますか?高専の文化祭でファッションショーをされてとお話されていたので、ランウェイでコレクションを発表したいという思いは強いのでしょうか?
及川: もちろん、いつかショーはしてみたいと思っています。ただ、それを実現するためのステップがあると思うので、今すぐにということではなく、自分のクリエイションのレベルを上げていって、そこまでたどり着きたいと考えています。10年後にどういう自分でありたいかということを思い描き、そこから逆算して今何をするべきかを考え、行動するように心がけています。
お話を伺っていると、自分のペースを保ちながら、しっかりとプランを立ててタイミングをみて行動されていらっしゃって、素晴らしいですね。
ブランドを始めて大変なことも沢山あるかと思いますが、やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
及川: やはり、自分が作った服をお客様が買って、着てくれていることを考えると嬉しいです。先日もお取り引き様の店舗で購入されたお客様から直接メールを頂きました。そのお客様は高校生の方で、同じ型を色違いで2着購入して頂いたそうで、ブランドへの応援と共に、自分もこういう服を作れるようなファッションデザイナーになりたいと書かれていて、とても幸せな気分になりました。
一人でも多くの方に、「THURIUM」の服を着て頂けるように少しずつ成長させていければいいと思っています。
本日はありがとうございました!これからも素敵な洋服を作り続けて下さい!
及川 絵美
THURIUM デザイナー
THURIUM デザイナー
1987年 宮城県名取市出身
2008年 国立宮城高専 情報デザイン学科 卒業
2011年 文化服装学院 アパレル技術科 卒業
国立宮城高専情報デザイン学科にて、造形研究に取り組む過程でアパレルへの関心が深まり、 卒業と同時に文化服装学院に入学する。 在学中に某アパレルブランドデザイナーアシスタントを経験し、 経営のノウハウを学び卒業後にグレースコンチネンタルにて販売として入社する。 自社ブランドを立ち上げたいという気持ちを温め、2016年S/Sより「THURIUM-スリウム-」をスタートする。
1987年 宮城県名取市出身
2008年 国立宮城高専 情報デザイン学科 卒業
2011年 文化服装学院 アパレル技術科 卒業
国立宮城高専情報デザイン学科にて、造形研究に取り組む過程でアパレルへの関心が深まり、 卒業と同時に文化服装学院に入学する。 在学中に某アパレルブランドデザイナーアシスタントを経験し、 経営のノウハウを学び卒業後にグレースコンチネンタルにて販売として入社する。 自社ブランドを立ち上げたいという気持ちを温め、2016年S/Sより「THURIUM-スリウム-」をスタートする。
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