MANA TAMAOKI

WEGO
EC撮影スタッフ
玉置真奈

ECサイトのルック撮影を担当する、
ビジュアルづくりの日々

古着からオリジナルまで、ユースカルチャーとリンクするトレンド感のあるアイテムを扱うWEGO(ウィゴー)。この会社でECサイトに掲載するモデル着用ルックを生み出すのが玉置真奈さん。5年間の店勤めを経て本社勤務になった彼女の職場をレポート!

撮影スタジオもある本社オフィス

本社のミーティングフロアに入ると、どん!と現れるWEGOのロゴ看板。街で見慣れた印象的なロゴだ。
ロゴのあるフロアに掲げられた社員へのメッセージボード。

玉置さんがWEGOで初めて働いたのは文化服装学院の学生のとき。アルバイトで店に勤め、服の販売を経験。学校卒業後は別のアパレル会社に就職したものの、再びWEGOで活躍する道を選んだ。
「この会社はアルバイトをなんらかの事情で辞めてからも、また戻ってくる人が多いです。働きやすい会社だと思います」
玉置さんがそのように語る。彼女自身も店から離れて本社勤務になってからも充実した日々を過ごしているようだ。「EC部 販促PR撮影チーム」の肩書を持つ玉置さんの仕事は、公式オンラインストアで販売するアイテムの撮影。雑誌でのエディター(編集者)、服を集めるスタイリスト、ビジュアル全般を統括するクリエイティブディレクターといった個々の役割をひとりで担うのがここでの業務だ。

同フロアに併設するプレスルーム。外部のスタイリストもよく出入りする部屋。
スタジオすぐ横のストックルームで服を探す玉置さん。

撮影する服が自社商品なため、一般のスタイリストのように各所に服を借りに行く手間は必要ない。本社の1フロアにプレスルーム、ストックルーム、撮影スタジオがあり、それぞれを往復しながら撮影準備をしていく。掲載商品をベースに自社ブランドでコーディネートを組む。服を着せるモデルを選び、モデル事務所のマネージャーと連絡を取り合う。
「販売商品の点数が多く、品番を管理しながら撮影の日程調整をしていきます。フォトグラファー、ヘアメークアップアーティスト、モデルなど外部の人たちとの関わりも多いので、皆さんの予定を調整したりコミュニケーションする能力が必要になります。ディレクターのわたしを軸に物事が動いていきますから、裏方ならではの気苦労はいろいろありますね。大勢の人たちの意見をしっかりとまとめていかないといけませんから」
各所に気配りしながらも意図する方向に導いていくのが、玉置さんが身につけた仕事スキルのひとつだ。

自社スタジオでのモデル撮影現場

この日は男女ペアでの撮影が進行。気心の知れたレギュラースタッフたちとのスムーズな共同作業。


ストックルーム、プレスルームのすぐ横にあるスタジオで商品撮影。撮られた写真をその場で閲覧しつつ、「かわいい!でもこんな写真も撮っておいてください!」と次々にディレクションする様子はまさにディレクター。モデルがどんどん着替えていくなかで、次に撮る服を手渡してコーデをチェックするときはスタイリストに変身する。疲れてきたスタッフたちに休憩の提案をしたり、飲食の手配をするときは雑誌のエディターのようだ。一般の撮影現場では複数人が役割分担する業務をひとりでこなす。自社EC販売ならではの仕事スタイルかもしれない。

撮り逃しがないように現場でしっかりと写真を確かめる。

やることが多く責任ある立場でも、自分の思う通りに物事を進められる安心感は大きいだろう。予測した方向にきちんと導けるからだ。現場で仕切りに関わる人が多いと、それぞれの意見がぶつかってまとまらないことがある。そんな問題がなく「自分がビジュアルをつくった」と言い切れる充実感が、彼女の忙しい毎日を支えているに違いない。

フォトグラファーが使うプロ用写真ソフトも触りながらの作業。パソコンを使うスキルも仕事に必須だ。

ECサイトをつくる業務

WEGOのECサイトより(画面キャプチャ)。Tシャツの販売ページ。


WEGOのECサイトより(画面キャプチャ)。トップページ。

自身のデスクに向かう玉置さん。EC撮影チームをはじめ各PRスタッフなども同じ部屋に机を並べている。

仕事は撮影が終わってからもまだまだ続く。デスクに戻り写真を一枚一枚確かめて、ECサイトに掲載する写真を決めていく。
「着てもらった服がモデルさんに似合っていたときがいちばん楽しい」
撮影のときはそのような気分でテンションを上げている玉置さんも、ひとりの仕事に戻るとより冷静に判断していく。職場はスタジオとプレスルームとオフィスが隣り合わせ。すぐに移動できる環境がスムーズなワークフローを生んでいる。

社員証と一緒に下げているチャーム。「いただきものです」とのこと。

高校生のときからウェブサイトを
つくってきた経験

玉置さんが影響を受けたファッションは、主に『KERA』『FRUiTS』などのファッション雑誌。原宿ストリートに勢いがあった時代だ。
「高校生や文化生のときは、いまよりずっと奇抜な格好をしてました」
アパレルの仕事をしていた両親の元に育ち、幼い頃から服に強いこだわりを持っていた。高校生になるとSNSなどのインターネットに興味を持ち、自分のホームページを開設。その頃から現在の仕事につながるセンスを持っていたようだ。
文化に通って選択したのはショップスタイリストコース。店での販売のノウハウを学び、卒業して別のアパレルのショップスタッフに。その後に退社してWEGOに戻った。各店を巡るエリアマネージャーたちと話をするうちに本社勤務に変わった。
そんな玉置さんの仕事に興味津々の文化生へ、いまやれることを彼女がアドバイスしてくれた。
「まず自分に自信を持つことが大切だと思います。周囲がどうあろうとも好きなことを曲げない気持ちがあれば自分の基礎ができあがっていくでしょう。ただしその一方でSNSなどをチェックしてトレンドを追うことも重要。WEGOのようにトレンドに敏感な若い層をターゲットにする仕事では、新しいファッションの知識が欠かせません。さらにいろいろな人と直接会って、コミュニケーションする力も身につけておくと役立つと思います。どんな仕事でも大勢の人が関わっているものです」
玉置さんのアドバイスを胸に、少しずつステップアップしながら未来へと歩みを進めよう。

EC撮影チームの部屋とスタジオをつなぐ扉に貼られたポップなイラスト。


※2024年7月取材


LINKする卒業生

・後藤さり(ファッション流通専門課程 ファッションモデルコース卒業)
ファッションモデル/女優
マネージメント事務所「nabura」https://nabura.co.jp/
インスタグラム https://www.instagram.com/gotosari___/?hl=ja

「文化の同級生でモデルをしている友人です。WEGOのECサイトにも出演していただいたことがあり、仕事でも関わりのある人です」

記事制作・撮影
一史  フォトグラファー/編集ライター
明治大学&文化服装学院(旧ファッション情報科)卒業。編集者がスタイリングも手がける文化出版局に入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。撮影・文章書き・ファッション周辺レポート・編集などを行う。

Instagram:kazushikazu

関連サイト

INTERVIEW

WEGO
EC撮影スタッフ
玉置真奈(たまおき・まな)
ファッション流通科ショップスタイリストコース 2017年卒業

1996年生まれ。千葉出身。文化服装学院在学中よりWEGOでアルバイト販売を経験。卒業後に別のアパレル勤務を歴てWEGOに転職。店勤めから本社勤務になり自社ECサイト用の撮影スタッフに就任。ウィメンズ部門を一手に引き受けている。

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Vol.037

高島屋 マーチャンダイザー 氏家友彦

ファッション流通専門課程 スタイリスト科(現 ファッション流通課 スタイリストコース)卒業

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1996年生まれ。千葉出身。文化服装学院在学中よりWEGOでアルバイト販売を経験。卒業後に別のアパレル勤務を歴てWEGOに転職。店勤めから本社勤務になり自社ECサイト用の撮影スタッフに就任。ウィメンズ部門を一手に引き受けている。

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高島屋 マーチャンダイザー 氏家友彦

ファッション流通専門課程 スタイリスト科(現 ファッション流通課 スタイリストコース)卒業