ECサイトをデザインして
売上をサポート

ソックス、タイツ、インナー類を製造・販売するレンフロ・ジャパンに入社して3年目の大坂絢音さん。「デザイン&マーケティング戦略課」に所属する大坂さんの主な仕事は、ECサイトの販売ページ作り。Amazonや楽天市場に掲載されるコンテンツを手掛けている。上司や先輩に支えられながら現場で動き回る彼女が働くオフィスを訪ねた。
商品をアピールするビジュアル作り

大手ECショッピングモールの商品ページには詳しい解説や説明写真がたくさん並んでいる。大坂さんは日々このようなページを作っている。
デザインの大まかな流れは次のようなもの。販売商品が決まる→レイアウトのラフ案を考える→ラフに即した掲載写真を撮影(モデル、ブツなど)→掲載文章や見出しを用意→Webデザイナーに集めた材料を渡す→完成したページをサイトにアップ。
社内外の様々な人とのやり取りが加わり、大勢の手により販売ページができあがる。モデル、フォトグラファー、スタイリストなど撮影スタッフの主な手配は外部の制作会社に委託。彼女の役割は雑誌でいう編集者に近いようだ。完成形をイメージしてディレクションしつつ、それぞれ分野のスペシャリストに仕事をしてもらう。ただし大坂さんはパソコンを駆使した写真のレタッチや、簡単なレイアウトも自身で行う。雑誌編集者はできない専門的な作業ができるのが強みだ。デジタルのスキルがあるからこそ幅広い業務をこなせる。

彼女が日々の仕事を次のように語った。
「販売ページを作るときは、ソックスのデザイナーさんに商品をヒアリングすることからスタートします。その情報を元にラフ案をつくり、Webデザイナーさんに投げかけアドバイスを受けます。それから使用写真を準備していきます」ほかにもインスタグラムへの宣伝投稿や、XのリツイートなどSNS界隈も担当。入社当初から任せてもらっている業務だ。
「ソックスの工場訪問や撮影同行など、最初からいい経験をさせていただきました。社内は皆がフレンドリーで話しやすく、明るい印象の人が多いですね。とても働きやすい環境だと思います」
デジタルネイティブ世代の彼女はリアルとデジタルを行き来している。文化服装学院のファッション流通科ファッションプロモーションコースで実践的に学んだことを存分に活用している。
SNSからの流入者を増やすのが目標

仕事の喜びは、手掛けたECサイトの商品がよく売れたとき。役割をこなした達成感がある。さらに投稿したSNSで流入者が増えたときも喜びが大きい。
「レンフロ・ジャパンのインスタグラムに月20回ほど投稿しています。投稿は外部の運営会社にも委託しているのですが、自分がいいと思った商品をアップして流入者が増えたときたときはとても嬉しいですね。今後も投稿には力を入れていきたいと考えています」

アプリ操作が好きなのも大坂さんらしい感覚だ。
「写真のレタッチが好きなんです。画像がきれいに整っていくのが楽しくて。商品の色を変えるデジタル作業も好きです」
モデル撮影のように華やかな現場に出向くときもあれば、職人的に地道にパソコンに向かうときもある。単調さと無縁な仕事を送る日々だ。
グラフィックも学べるコースを選択
タイトなトップス+ワイドパンツでY2K風のエッジーな服装を着こなす大坂さん。高校時代に文化服装学院への進学を決めたのは、意外にもファッション業界で働くためではなかった。
「ファッションは好きでしたが、ECサイトや画像編集により惹かれていました。文化を進学の候補にしたきっかけは、幼馴染みのファッションが好きな友人が入学を希望していたから。わたしもコースを調べたら、『ファッションプロモーションコース』という販売促進のビジュアル、PR活動、マーケティングを学ぶコースがあることを知りました。自分に合うと思い入学を決意。卒業ショーの会場で流すムービーを作ったり楽しい日々を過ごせました」

授業のうち人生に大きな影響を及ぼしたのが、「文化服装学院×HOTSOX」のコラボレーション企画。レンフロ・ジャパンが展開するアメリカ発のアートソックスブランドと文化がタッグを組み、新商品とプロモーションを展開。この授業でレンフロ・ジャパンの魅力を知り入社を希望した。
「就職を考える2年生のとき迷いがあり、ひとつは就職してECサイトやプロモーションに関わること。現在選んだ道がこれです。そしてもうひとつは雑誌編集者になること。文化出版局の『装苑』が好きで、編集者になることにも憧れました。進路をぎりぎりまで迷い、文化の先生の薦めもありレンフロ・ジャパンに入社させていただきました」

現在も「文化服装学院×HOTSOX」のコラボ企画は代替わりで続き、ファッションプロモーションコースの学生たちが社会勉強している。これからも大坂さんのように学校の産学共同の試みで自身に合う仕事先を見つける学生が増えていくに違いない。
※2024年7月取材
LINKする卒業生 ・上村 優 ファッション流通科 リテールプランニングコース卒業 O EC担当 https://www.instagram.com/o_official_jp/ 「文化に入るきっかけになった幼馴染みの友人。代官山のセレクトショップ、オーのECに関わっています」 ・西村真衣 ファッション流通科 ファッションプロモーションコース卒業 タトラス EC担当 https://tatras-official.jp/ 「2年間同じクラスだった友人。タトラスの店で働いていましたが、EC担当に仕事が変わるようです」 |
記事制作・撮影
一史 フォトグラファー/編集ライター
明治大学&文化服装学院(旧ファッション情報科)卒業。編集者がスタイリングも手がける文化出版局に入社し、「MRハイファッション」「装苑」の編集者に。退社後はフリーランス。撮影・文章書き・ファッション周辺レポート・編集などを行う。
Instagram:kazushikazu
関連サイト
-
レンフロ・ジャパンの公式サイト。https://www.renfrojapan.com/
-
大坂さんが投稿している、楽天市場向けのレンフロ・ジャパン公式インスタグラム。https://www.instagram.com/renfrojapan_socks_shop/
INTERVIEW
レンフロ・ジャパン
ECサイト・SNS運営
デザイン・制作
大坂絢音(おおさか・あやね)
ファッション流通科ファッションプロモーションコース 2023年卒業
東京出身。グラフィックデザイナーを父に持ち、高校卒業後に文化服装学院に進学。ファッションとデジタル表現を学べるコースを選択。産学共同の授業で関わりを持ったレンフロ・ジャパン株式会社に新卒で入社。
NEXT
次回のVol.49は、自身のブランドを立ち上げる夢を叶えた、SNS発信のデジタルクリエイターかきぶちもものさん。YouTubeのフォロワー19万人以上の彼女を知れば、デジタル時代の仕事スキルが見えてくる!
INTERVIEW
レンフロ・ジャパン
ECサイト・SNS運営
デザイン・制作
大坂絢音(おおさか・あやね)
ファッション流通科ファッションプロモーションコース 2023年卒業
東京出身。グラフィックデザイナーを父に持ち、高校卒業後に文化服装学院に進学。ファッションとデジタル表現を学べるコースを選択。産学共同の授業で関わりを持ったレンフロ・ジャパン株式会社に新卒で入社。